特定商取引法
消費者トラブルが生じやすい、以下のような6種類の取引形態について規制しています。この法では、事業者が消費者に正確な情報を提供することと、消費者が冷静に判断する機会を確保することを基本理念としています。
この法律の規制を受ける事業形態としては、1.訪問販売 2.通信販売(インターネット通信販売を含む) 3.電話勧誘販売 4.連鎖販売取引(マルチ商法) 5.特定継続的役務取引(いわゆるエステ、外国語会話教室、家庭教師派遣、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス) 6.業務提供誘引販売取引(内職、モニター商法)などです。
この他に、送り付け商法(ネガティブオプション)についても規制しています。
この法律の重要なポイントは、消費者保護のための法律であり、民法や消費者契約法等と違い、事業者の行う個人との取引について行政が強制力を持って介入するための法律だということです。
当然この法律に違反している悪質な業者については、業務改善の命令・報告および立ち入り検査などの処置を受けます。
また悪質な事業者は特定商取引法により、懲役や罰金を支払うことになる可能性があります。様々なケースにより罰則は変わりますが、一例を上げれば、2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられる可能性があります(法人関係の場合は億単位!の罰金の可能性もあります!)。
※細かい事例ごとの懲役や罰金については此処では省きます。行政的な処罰を受ける可能性があるということだけ、ご理解ください。
悪質な出会い系サイトの場合、故意に有料サービスがあることを隠したり(会員登録だけが無料なのに、全てのサービスが無料であるかのように誤認させるなど)しています。
こうした行為は、特定商取引法及び消費者契約法などの法律を犯しています。このような事業主に行政が介入するための法律が特定商取引法なのです。
ネット上で消費者と金銭の授受を伴う商行為を行う者は、特定商取引法により必要な事業者情報や契約内容をわかりやすく表示する義務をおっています(わかりにくいものは違反です)。
細かく書くとわかりにくくなりますので、最低限下記の項目がわかりやすく表示されているか、確認するようにしましょう。
(1)代表者又は当該表示に責任を有する担当者の「氏名」
(2)社名
(3)主たる営業所の住所
(4)確実に連絡が可能な電話番号、FAX番号及び電子メールアドレス等
(5)利用料金・販売価格
こうした表示がサイト内で見当たらない・わかりにくい場合は、その業者のことを疑ってかかりましょう。特定商取引法上問題があります。またトラブルに発展するのは、主にこうした表示を適切に行わない事業者です。
特に電話番号が携帯電話番号になっているサイトなどは、利用しない方がいいでしょう。悪質な業者は足が付かないように、固定電話番号を利用することを嫌がります。
◆再送信禁止義務違反メールについて
増加する迷惑メールに対抗するために特定商取引法においても、迷惑メールを禁止する条項が盛り込まれています。
どういうことかといいますと、事業者がメールなどの電磁的な方法によって広告を送る場合、メールを受取る側(私たち消費者ですね)が広告の提供を受けることを希望しないと意思した場合は、それ以上広告メールの送信を行ってはならない。ということです。
要するに、広告メールを送るな!と言われたら、もうメールを送ってはならないということですね。
なお経済産業省からの指示に従わなかった場合は100万円以下の罰金、業務停止命令(1年以内の期間を限り、通信販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる)に従わなかった場合は300万円以下の罰金または2年以下の懲役、法人の場合は3億円以下の罰金とされている。
◆広告メールのオプトインメール規制について
特定商取引法についても新たに広告メールの事前承諾の規制が盛り込まれました。これによって以前は「未承諾広告」として、事前許可を取らずに送信することが可能であった広告メールの送信が事前承諾無く送信することを原則禁止とされることとなります。
また例外として、広告メールの送信が許可されるのは、下記のとおりです。
@消費者の請求に基づき電子メール広告をするとき
A消費者に対し、契約の内容や契約履行に関する事項を通知する場合に、電子メール広告をするとき 事業者と消費者が既に取引関係にあって、その取引を円滑に進めるための連絡を電子メールで行う場合、例えば、消費者に送る受注確認メールや発送完了メールの中に事業者の商品の宣伝が入っているようなケースです。
B電子メール広告の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められるケース
※広告が掲載されていることについて、消費者側の納得感があり、消費者の利益を損なうおそれがない方法での電子メール広告として、フリーメールを利用した場合やメールマガジンを利用した場合などが想定されています。
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つまり、一切契約していない出会い系サイトから突然会員メールが届くような場合は、広告メールのオプトイン規制に違反してメール送信が行われていることになり、特定商取引法に違反してメール送信が行われたということになるわけですね。
このオプトインメール規制に違反している場合には、国や都道府県から、指示(業務改善命令)または業務停止命令が発せられることとなり、違法な電子メール広告の送信行為や、その広告になされている商品の通信販売等の業務の停止等が求められることとなります。提供サービスの停止が盛り込まれいてるので指導を受けることはかなりのリスク要因となりますので、一般のサービス提供事業者にとっては抑止効果が期待できるでしょう。(詐欺サイトについては効果は疑問が残りますので今後も警戒が必要です)
行政処分に違反するものは、刑事罰として100万円の以下の罰金、業務停止命令違反の場合は2年以下の懲役または200万円以下の罰金もしくはその両方が課せられることとなります。また、これらの行政処分違反のみならず、違法な電子メール広告の提供行為自体にも、刑事罰が科されます。
具体的には、電子メール広告の送信について承諾等をしていない消費者または電子メール広告の送信を拒絶した消費者に対して電子メール広告を送信した場合や、承諾等の記録を作成・保存しなかったり虚偽の記録を作成した場合は、その販売業者等や電子メール広告受託事業者には、100万円以下の罰金を科すこととします。
また、違反行為の中でも特に悪質と思われるものについては、罰金刑だけではなく、より重い懲役刑も措置することとなっています。具体的には、オプトイン規制に違反して送信した電子メール広告において、表示すべき事項を表示していない場合や、その電子メール広告の中に、虚偽・誇大広告などをした場合です。このような場合には、その違反者に対し、1年以下の懲役または200万円以下の罰金、あるいはその両方の処分を科すこととします。
罰則の強化とあわせて許可無く広告メールを送信する事じたいを禁止する内容となっています。なお迷惑メールの送信については「特定電子メール法」での規制もされていますので、そちらも参照するとよいでしょう。
改正特定商取引法のポイント》》
◆容易に認識できるように表示とは?
広告メール配信について消費者の事前承諾を取るときには「容易に認識できるように表示」することが求められます。具体的なガイドラインが経済産業省から出されていますので実際に見てみましょう。
まずは、「容易に認識できるように表示している」場合とは具体的には、消費者のサービス申し込み画面において、デフォルトでのチェックボックスで広告メールの受け取りに同意することのチェックが入っていることは認められるが、その場合はその部分の色を背景が白であれば赤で表示するなどして目に入りやすくなるようにして、その上で最終的な申し込みボタンなどの近くなど、確実に目に入る位置に表示すること。当然デフォルトでチェックが無い場合は消費者が自分の意思でチェックしているので同意の意思確認が取れていると考えられます。
また、いわゆる懸賞サイトや占いサイト等様々なサービスを無料で提供しているサイトにおいては、関連サイトからの広告メール送信や無料情報サービスに付随して広告メールを送信することがある旨の場合において承諾を得る場合には、メールアドレスを記入することが関連サイトからの電子メール広告を受けることの承諾となることを消費者が認識しやすいように明示『例えば、全体が白色系の画面であれば、赤字(対面色)で表示』され、かつ、特に関連サイトからのメール送信の場合には、当該関連サイトのホームページアドレスに加えて、当該関連サイトのカテゴリーを併記するか、サイト名又は送信者名を併記するなどして、当該サイトがどのような内容のものか具体的に認識できるように表示することが求められています。
これらの方法であれば、登録をした後で身に覚えのない広告メールが届くことは無いはずですよね?
では、次に容易に認識できるように表示していない場合に該当する可能性があるケースの具体例を書きに記します。
@膨大な画面をスクロールしないと広告メールの送信についての承諾の表示にたどり着けず、かつ画面の途中に小さい文字で記述されているなど、消費者がよほどの注意を払わない限りは見落としやすく、広告メールの送信について承諾をしたこととなってしまう場合。
A関連サイトについて単に姉妹サイト一覧と表示されているのみで、クリックしないとどのようなサイトか消費者に認識できず、かつ関連サイトのアドレスから想定される内容が実際の内容とは全く異なっており、いわゆるアダルトサイトなど表示からは想定されないようなところからの広告メールの送信を承諾したこととなってしまう場合。 |
このような手口は悪質サイトにおいて意に反して契約の申し込みをさせようとしたりする場合に非常に多用されている方法です。もっとひどいと単に「関連サイトのからの広告メールを受け取る」とだけ規約などに書いておいて、どこのサイトからメールが届くのかまったく記載されていないケースが多数確認されています。そういうのは広告メールの受け取り許可をしたとは認めないということですね。
これらの規制は行政にしてはよく実態に合った規制法だと思います。実際にこれらの規制が適切に守られれば消費者の意に反する広告メールの申し込みはほとんど無くなるでしょう。ただ悪質サイトはそもそも法律を守るつもりが一切無いので自分で防衛することは引き続き重要です。
◆よくある特定商取引法違反事例
ネット上でよく見かける特定商取引法違反事例を経済産業省の事例集を元に説明します。
ワンクリック詐欺その1
スパムメールなどに記載されているURLをクリックしたらいきなり有料会員登録されてしまい。料金を支払うように請求された。
特定商取引法14条「意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止」に違反する違法行為です。
ワンクリック詐欺その2
ウェブサイト中のボタン・画像をクリックしただけでいきなり有料サイトへの入会申込みとして処理されて支払い請求を受けた場合。
対象がウェブサイトになりますが、特定商取引法14条「意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止」に違反する違法行為です。
近年のワンクリック詐欺サイトにおいてはいきなり会員登録とするのではなく、年齢認証画面で規約のようなものや、意味の無い長文のくだらない文章中に料金が幾らと書いて法律を満たしているように偽装しているケースが大半となっています。
ただ、結局その料金表示は長文の中に埋もれておりわかり難く「18歳以上ですか?」という問いばかりが目に付くように作られおり、キャンセル可能な確認画面が存在しなかったりします。この場合も「意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止」に該当すると考えられます。
虚偽誇大広告
ウェブページのトップページ上では無料と書いているのに、利用規約書の中には有料と書いてあり料金請求を受けた場合。(広告メールなども同様です)なお請求金については、入会金や利用料金だけではなく、退会金や一定期間当該サイトを利用しないことにより発生するような違約金も含みます。
特定商取引法第12条「誇大広告等の禁止」に違反する違法行為です。厳密に言えば「無料ポイントが初回にサービスされる後払いポイント系サイト」の多くが、この条文に違反しているのが現状です。
提携有料サイト
ある無料サイトへ登録したところ、自動的に他の有料サイトへも入会申込みしたと処理されて不当な支払い請求を受けた場合。
この場合最初に登録をしたウェブサイトは特定商取引法の「意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止」に違反しています。これは提携サイトへの登録について利用規約書に書いてあっても、登録時の手順上で見逃さないように明示・訂正可能な状態にしていない限り違反に該当します。
より詳しい情報は経済産業省の特定商取引法違反する事例を御覧ください。
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