小額訴訟制度
60万円以下の小額の金銭トラブルを解決するために平成10年1月に開始された、簡易な手続きの裁判制度です。
特徴としては、
◆請求できるのは金銭の支払いのみ
この制度でできるのは金銭の支払いを求める場合のみに限定されています。よってこのIPアドレスの相手を調べて欲しいとか、電話番号・メールアドレスからこの人を特定してその上でお金を請求して欲しいなどということには利用できません。
◆申し立ては簡易裁判所で行う
基本的に被告(訴える相手側)の簡易裁判所へ申請を申請を出すことになります。
◆簡易な裁判のため1回の審理で裁判を終えられないケースには利用できない
例えば現場検証などが必要だったりして、1回で終了できないような複雑なケースでは利用することはできません。またこのことから小額訴訟を起こす側は1回の審理で裁判官に自分の主張を認めさせられるだけの証拠や証人などを準備する必要があります。
◆被告の住所が不明の場合は利用することができない
普通の裁判であれば被告の住所が不明な場合には「公示送達」という手段で被告には伝わったことにして裁判を進めるケースがあるのですが、この裁判はそもそも簡易な裁判ですので、そうした手続きを取ることはありません。つまり何処の誰なのか郵便物が確実に届くレベルで把握していない場合にはこの制度は利用できないことになります。
◆同一の年に少額訴訟ができる回数は10回まで
小額訴訟制度はそもそも個人間での小額の金銭トラブルの解決のために設計された法制度であり、事業目的で利用することを前提としていません。そのため例えば消費者金融の乱発利用などのために個人の利用を阻害することを防ぐために年間10回までと制限されています。
◆被告側の申し立てで通常訴訟への移行、他裁判所への移送が行われる
被告人がこの小額訴訟は納得できない!通常裁判で争ってやる!と考えて裁判所へ要求すると通常裁判へ移行されることになります。これを原告(小額訴訟制度を利用した人)は拒むことはできません。
◆出頭して反論を行わなければ敗訴となり、訴訟金額を支払う必要がある
訴状が届いているにもかかわらずそれを無視していると、自動的にその請求が法的に認められた請求として確定します。ゆえにもしも訴状が本当に裁判所から届いたのであれば無視してはいけません。
◆原告あるいは被告が法人の場合商業登記簿謄本が必要
以上のような特徴を持っています。
さて一部の悪質出会い系サイトにおいては、十分な説明なしに登録させておいていきなり料金請求メールを送りその文面に「小額訴訟を起こします」などと書いているケースがありますが、それは無理だということがわかると思います。
というのもそもそも相手の住所・氏名を完全に特定して、尚且つ相手に支払い義務があることを裁判官に納得させるだけの証拠を持ってのぞむ必要があるからです。例えば後払い請求メールが届いたとしましょう。その場合このような文面が書いてあってもそもそも貴方がどこの誰なのか相手にはわかりませんからこの制度を利用することができないことがわかります。
また悪質な出会い系サイトの場合、そもそも特定商取引法に違反して事業者の会社名・住所・代表者名などの情報を記載していない場合があります。この場合自分が特定商取引法に違反しているのですから、小額訴訟を起こす可能性は非常に低いと考えられます。まともなサービスを提供しているとは到底考えられません。
悪質な出会い系サイトからの納得いかない利用した覚えの無い突然の料金請求メールに、このように「小額訴訟制度を使って請求する」と書かれていても慌てないようにしましょう。それは単なる脅しであるケースがほとんどです。
悪質な出会い系からの請求で判断に迷った時には当サイトまでご遠慮なくご相談ください。
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